No.001 〜 パソコン選びについて 〜
MacとWindows 何が違うのか?(前編)
さて、記念すべき第一回目のお題は、DTMという制作環境を始めて整える方々が必ずといっていいほど疑問を抱く、Mac or Windoes どちらのパソコンを購入すべきか? というお題です。
思い起こせば、わたしが学生の時、作曲科の同期で制作にWindowsのマシーンを使っている生徒など、わたし以外には一人もおりませんでした。
「クリエイティ系はMacでしょ。」だなんて、そんな合い言葉が本当に当たり前のようにまかり通っていました。これにはとっても簡単な理由があります。
それは、制作に使うソフトの大部分が、当初(当時)Macにしか対応していなかった。という簡単な理由です。
ですが、Steinberg CUBASEを代表として、現在はWindows版のソフトが頭角を表しており、ユーザー数からみて、一番人気なのではないでしょうか。
ちなに、CUBASEというソフトは、10年前から、Mac/Win 両対応になっており、わたしが学生時代に使っていた時と、今と、何も変わっていないのですが、まぁ簡単に言うと、「クリエイティブ系はMacでしょ。」という現在においてはナンセンスな都市伝説が、やっと正常に戻ったと言うべきでしょうか。
「クリエイティブ系はMac」なのではなく、もちろん「クリエイティブ系はWindows」でもなく、正解は、「クリエイティブ系は、クリエイター(作曲家)自身のスキルや才能」という、当たり前の位置に、やっと戻りつつありますね。
機能、音質、内容等々、Mac/Win に差は全くありません。
では、それ以外の部分では、何か違いがあるのか?というと、結構あります。
大きく分けて
1.値段
2.不具合
3.スペック
4.見た目
ます、1.で挙げた「値段」ですが、これは圧倒的にWindowsに軍配が上がります。
理由は簡単で、ユーザー数が多いので、メーカー間での価格競争もあり、安くないと売れないようになっているからですね。
どれくらい違うかと言いますと、例えば、パソコンにはメモリーという記憶媒体を装着しますが、DTMにおいて、このメモリーの必要分量は、一般的なエクセルやワードといったソフトを快適に動かすのと比べ物にならない分量のメモリーが必要です。
したがって、販売されてる状態のものに、オプションという形で、メモリを増設するとして、もちろん分量にもよりますが、そのオプション部分だけでも10万円くらいの差は軽くついてしまうでしょう。スペックは一緒であるのに、Macだから、という理由だけで、そんなにも差がつくわけです。本体だけでも10万円はすると考えれば、メモリの増設分で、Windowsがもう一台買えてしまいますね(笑)
他にも、価格面でWinが有利な理由はいくつかありますが、ここでは割愛させて頂きます。
続いて、
2.「不具合(バグ)」というのは、いわゆるエラーと呼ばれたりもしますが、用は正しく作業を行っているにもかかわらず、原因不明のトラブルが起こることです。
例えば音が出なかったり。
例えば録音時に雑音が入ったり。
例えば繋げるはずの外部機器がうまく作動しなかったり。
こういった不具合に関しては、Macに軍配が上がるでしょう。
理由は、「動作検証」にあります。
例えば何か新しいソフトウェアーを開発したとして、メーカーはもちろんそのソフトの動作確認を実際のPCにて行います。
これが、Macを使った検証であれば、もともとそういった一部の人にしか使われていないMacはマシンの種類に限りがありますので、それぞれのマシンでの検証はもちろん可能です。
しかしながら、Windowsというのは、ありとあらゆるメーカが、ありとあらゆる部品を用いて、勝手に組み立てて販売していますから、マシンの種類といったら、それは星の数ほどあるでしょう。
したがって、Windowsでの動作検証は、一部のマシンのみとなり、だいたいのマシンは「たぶん大丈夫だとは思います」的な扱いにならざるを得ないのですね。
そもそも、パソコンをDTM用途で使っている人口は全体に比べれば極めて少ない訳で、メーカーがそういた少人数のユーザーに気を回しずらいのは当然と言えます。
ですので、DTM用にWinの購入を考えている方は、そういった不具合に関しては、自己責任となってしまう訳ですね。
実はわたしも、不具合には何度も見舞われておりまして、エラーのレベルが大きいものから小さいものまで様々ですが、一番ひどかった時には、PC内部の基盤(マザーボード)を自身で取り替えるという作業をしたことがあります。これば、物理的には難しい作業ではありませんが、一般的な方ではまず手の出せないであろう作業なので、こういった時には、かなりの時間を費やします。
もちろんMacにも当然不具合はありますが、Winと比べればあきらかに少ない訳ですし、種類が少ないということは、他のMacユーザーも同じ機種を使い、同じエラーに直面している割合が高くなりますから、そういった意味で、メーカーからの不具合修正プログラムや、エラー対処の方法なども、素早く手に入る可能性が高いですね。
少し長くなってしまったので、3. 4, に関しては、「後編」として、また次回にご紹介しようと思います。